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八王子さんま祭り

今年も 「八王子さんま祭り」の時期が来た。

 

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意外にも八王子さんま祭りの歴史は古い。

初開催は2014年まで遡る。

 

2014年、ぼくは八王子の社員寮に住んでいた。

その寮には後輩も多く住んでおり、たまに宅飲みなどして遊んでいた。

 

その秋、後輩の岩河が結婚を機に退寮することとなった。

そのとき例のごとく岩河宅で宅飲みをしてお別れ会をしようという話になった。

しかし当日、岩河は残業だった。仕方ないのでぼくは

「宅飲みの準備をしておくね」と岩河から部屋の鍵を借りて会社を出た。

 

普段の宅飲みは鍋などが多かったが、結婚、退寮という大きなイベントを祝う飲み会なので

ぼくはサプライズも込めた今までにない宅飲みにしたいと考えていた。

 

(うーーん、旬のものを食べさせてあげたいなぁ・・・さんまにしよう。)

(さんまをどう焼こうか・・・やっぱ七輪だよなぁ・・・。)

 

これが「八王子さんま祭り」の始まりだった。

 

 

 

ぼくは帰りにホームセンターに寄って七輪と備長炭を購入して岩河宅に侵入した。

数人の友人にも協力してもらい、祭りの準備を始める。

 

七輪やトングを置くスペースには困らなかった。

岩河は翌日引っ越しだったのだ。部屋は綺麗に片付いており、

6畳間には積まれた段ボールとベッドしかなかった。

 

 

誰かが言った「火災報知器が反応しそう」

 

確かに。

部屋の中でさんまなど焼いたら煙で間違いなく火災扱いされる。

ぼくは部屋からビニール袋とガムテープを持ってきた。

火災報知器にビニール袋を目張りする。これで大丈夫だろう。

 

室内は積まれた段ボールにベッド、天井中に貼られたビニール袋で異質な雰囲気になっている。

なんの実験室だ、ここは。

 

気にせず七輪の準備を始める。

さんまの塩焼きにとって最も大事な工程は火おこしの工程だ。

上質な熱源、必要物さえあれば、さんまは美味しく焼ける。

 

師範代曰くさんま焼きは準備が8割らしい。必要物を揃え、火を起こし、炭を熱して場を整える。ここまでがさんま焼きの肝であり、時間のかかるところであるとのことだった。なるほど、勉強になる。そして準備物は観光協会に全て用意してもらっているため、我々は到着しただけでさんま焼きの5割を終えていることになる。なんたることか。

俺こそがさんま焼き師だ - ぼんやり参謀

 さんま焼き師範代がいうんだから、そうなのだ。

 

ぼくたちは新聞紙を七輪に敷き詰めその上に備長炭を乗せ、火をくべる。

大きな炎が岩河の部屋を照らす。岩河の部屋の床が微かに焦げる。

しかし備長炭には火が付かなかった。

大誤算、備長炭は非常に燃えにくかった。

 

備長炭との格闘が30分つづく・・・燃えない。

いっこうに燃えない。

 

禁断の手段を使う。ガスコンロに備長炭を直置きし、コンロの火をつけた。

絶対にあぶない。子供でもわかる。危ない。

わくわくする。

危機感を凌駕するわくわく感が起こった。まだ火は起きない。

 

ガチャ・・・

 

家主が残業を終えて帰ってきた。

やばい、キレられる・・・・無許可でのこの所業、間違いなくキレられる。

 

岩河は笑っていた。

怒りを通り越して呆れ、諦めていた。

岩河は律儀に一個一個ツッコミを入れてくる。

・コンロ、危ない!!!

・なにこれ!ビニールこわっ!!!え?!なんで?!

・七輪って・・・バカやろ・・っ!!

 

あ、備長炭に火が付いた。

やっと火が付いた。

七輪を準備する。これでさんま焼きの8割が完了した。

 

さんまを焼く。

香ばしい煙が部屋に充満していく・・・・祭りだ。

 

カーニバルの始まりだ・・・っ!!!!!!!!!

 

「八王子さんま祭り」が始まった。

ぼくらのテンションは最高潮。

ビールを開けて乾杯する。

 

さんまが焼けた!!!

ファーストバイトは岩河さんに。

「びゃあぁあああ、うまいぃいい!!!!!!!」

 

ひゃっほーーー!!!!!!!!!!1

焼けぇええ!!!次のさんまを焼け!!!!

どんどんさんまを焼いていく。

 

さんま祭りは最高潮を迎えた!!!

 

 

 

 

 

 

 

ホワイトアウトしていた。

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一面真っ白。1m先が見えない。

 

6畳間で10匹のさんまを焼くと ホワイトアウトする。

ぼくらはひとつ賢くなった。

いや、バカだった。

 

ホワイトアウトした部屋でパニックを起こし窓を開けてしまう。

あ、火事だ・・・。どうみても火事。

窓はすぐに締める。

 

ドアから逃げ出す者もいた。

ドアから煙が漏れ、フロアが煙に包まれる。

あ、火事だ・・・。どうみても火事。

ドアを閉める。

 

部屋には成人男性の燻製が転がっていた。

 

燻製男性たちは開き直った。

ホワイトアウトした部屋で祭りを再開した。

 

祭りは深夜まで続いた。

 

 

 

 

 

翌朝、岩河が異変に気付く。

 

臭い

 

強烈に燻された岩河の部屋は壁は黄色く変色し、

生臭いさんまの匂いで充満していた。

あまりの臭さにぼくらは岩河を置いて逃げた。

午後に引っ越しをして岩河は引っ越し先へ帰っていった。

 

 

週明けになって、岩河がスーツを着て出社してきた。

 

 

 

 

 

くっせー!!!!!!!!

岩河のスーツがさんま臭い!!!!!!

 

 

 

 

ホワイトアウトした部屋にあった岩河の荷物はすべてさんま臭くなっていた。

マジで臭う。臭い。3m先からくさい。

 

 

帰りの電車は岩河と一緒だった。

 

 

ぼく「なんか臭うからぼくから離れて・・・・」

 

岩河「いや、あんたのせいだろ!!!!!」

 

 

これ以来、岩河君は八王子さんま祭りには来てくれていない。

 

今年も開催するのでよろしくね。