メンヘラはジャスミン茶が好き

冷蔵庫で保存(10℃以下)し、開封後は賞味期限にかかわらず、できるだけ早めにお飲みください。

お疲れサマンサタバサー!!!!

お疲れサマンサタバサー!!!!

 

「お疲れサマンサタバサー」とか言ってくれるような女と付き合ってみたい。

 

 

新宿で19時に待ち合わせ、彼女は既に東口に着いていた。

「今着いたよ」LINEを送る。

付き合い始めた年下の彼女、いつも元気で可愛い。

ぼくに気付いた彼女の顔がパァっと明るくなる。可愛い。

彼女は小走りでぼくの方へ手を振りながら向かってくる。可愛い。

 

「お疲れサマンサタバサー!!!!!(叫び声)」怖い。

 

東口の全視線が彼女に集まる。

みな、キチガイを見つけた目をしている。

 

ぼくはダッシュで逃げて他人のフリをする。

そして、LINEで別れを告げる

 

「ごめん、怖い。別れよう。」

 

 

これはいけない。

「お疲れサマンサタバサー」の用法を間違っている。

ぼくはこんな女とは付き合いたくない。

ぼくが付き合いたいのは「お疲れサマンサタバサー」を上手く使いこなす女なのだ。

 

こんな大勢の人がいる中でくっそ寒いギャグを恥ずかしげもなく

大声で披露する恥じらいのない女は好きじゃない

だいたい「お疲れサマンサタバサー」ってなんだよ、何にも面白くねぇよ

ぼくにどう反応してほしいんだ、この女

ぼくを試しているのか、怖い。

絶対に付き合いたくない。 

 

 

 

金曜日、ぼくは仕事帰りに彼女の家に泊まりに行く。

「もうすぐ着くよ」とLINEを入れると

「わかった」とそっけないLINEが返ってくる。

彼女とは付き合って1年、最近少し素っ気なくて寂しい。

 

彼女の家に着いた、インターホンを押すと彼女がカギを開けてくれた。

ドアはひらかない。自分で開けろということなんだろう。

ドアを開けると彼女の姿はすでになく、彼女はリビングのソファに座っている。

ぼくが「はぁ疲れたー」というと

彼女はスマホに目を落としたまま言う。

 

「....お疲れサマンサタバサー」

 

 彼女の顔は少しニヤけていた。

かわいい

かわいい

かわいい

これはかわいい。

 

この女はきっとお疲れサマンサタバサーアンバサダーだ!!!

 

この女はきっとクールで人前でいちゃついたりするのを嫌うタイプだ

少し背が高くてスタイルがよくて猫っぽい性格の子だ。

仕事が出来て後輩にも慕われて「先輩かっこいいです」とか言われてる子だよ。

 そして「お疲れサマンサタバサー」を半年前に思いついてからずっと使うタイミングをずっと見極めていたに違いない

ここぞというタイミングで出してきた。

完璧だ、ぼくはこんな女と結婚したい。

 

 

はぁ・・ぼくに彼女が出来ない理由がだんだんわかってきた。