メンヘラはジャスミン茶が好き

メンヘラじゃありません

前世、小鳥

 

 

うちの母は鳥恐怖症らしい

 

ハトもカラスもニワトリもだめ

目の前に現れるとギャーギャー騒ぐ

ギャーギャー騒がれた鳥はビックリしてバサバサ騒ぐ

すると母は余計にギャーギャー騒ぐ、鳥はまたビックリしてバサバサ逃げていく

ぼくはそれを真顔で眺めてアホな光景だなぁと。

うちの母はアホなのだなぁと思っている。

 

一度母に鳥の何がダメなのか問うたことがある。

こんな回答が出てきた。

 「目が怖い」

どうも母は鳥のグリっとした目が怖いらしい。

確かに何を考えているか分からないし、ギョロっとしていて不気味というのもわかる。

だが、カラスやハトなど普通にしていれば逃げていくし何がそこまで怖いのか理解できなかった。

 

少し話は変わるが、田んぼに雀避けとして下げられている風船をご存じだろうか。

上に写真がある、丸っこい的のような絵が描かれた風船だ。

雀はこれをみて猛禽類がいると勘違いして怖がって田んぼに寄って来なくなるらしい。

雀は自分より大きな鳥の「目が怖い」のだ。

 

そう、ぼくは気付いた。

おそらくうちの母の前世は小鳥だったのではないか、と

小鳥の母はカラスに食べられやしないかと毎回恐れおののいているのだ。

小鳥だからビビって逃げるし、ちゅんちゅん騒ぐ、仕方がないんだ。

魂に刻まれた小鳥の記憶が母を恐怖へ陥れている。

 

 

前世で小鳥だった母は親兄弟と仲良く暮らしていた。

田んぼで人間の作る米粒を糧にして、つつましく生きていた。

 

しかし、平穏な日々は突然にして崩壊した。

母が巣に戻ると両親と兄の姿が見えない。血に染まった羽が散らばっている。

母は恐怖に駆られて飛び出した。しかし飛び出した先にはやつが待ち伏せしていた。

 

カラスだ。

カラスは賢い。母が飛び出してくることを予想していたのだ。

母は嵐の中、カラスに追われる。カラスは群れで襲ってくる。

 

母は必死に逃げる。ハトさんのところに行けば助けてもらえるかも・・・っ!

ハトさんに助けを求めた。しかしハトさんはクルッポーと首を振っている。

目の焦点が合っていない、見て見ぬふりをしている。クルッポー。

 

母は絶望した。(ここでハトも嫌いになる)

 

疲れ切った小鳥の母はニワトリ小屋に飛び込んだ。

ニワトリ小屋にはワラがあった。母はワラの上でカラスから身を隠した。

しかしニワトリさんはそれを許さなかった。ニワトリさんは母を突く。

ここは私たちの産卵場所よ、あなたの居ていい場所じゃないわ(ここでニワトリも嫌いになる)

そしてニワトリに突かれた母は力尽きる。

これが魂に刻まれた前世の記憶。 

 

鳥恐怖症の母にこの話をしたらアホじゃないの?と言われた。

そうか、アホの子はアホだったのだ。