メンヘラはジャスミン茶が好き

メンヘラじゃありません

ぼくも頭ハッピーセットになりたい。

シダさんは頭ハッピーセットで幸せそうにしていた。

この前、前職の先輩シダさん(32)と後輩のシマくん(31)と町田に飲みに行った。
シマくんが会社からカンボジア出向を打診されているからみんなで相談しようということで18時頃に集まった。

シマくんのカンボジア出向についての話は
「じゃ会社辞めて転職な」ということで開始30分で決着してしまい、
その後、おっさん3人集まって0時まで延々と恋バナをしていたのである。
30オーバーのおっさんの恋バナ、おえぇーである。

シダさんにもシマくんにも1年くらい付き合っている彼女がいる。
※ちなみにぼく(30)にはいない


シダさんの彼女(32)は関西在住で東京のシダさんと遠距離恋愛をしている。
シダさんと彼女はもともとセフレ関係だった。シダさんは付き合う前にうつ病を患っていて
いつも死にそうな仏頂面で「あんな年増と付き合わねーよ・・・好みじゃないし・・・面倒くせぇし・・」とメタメタにディスっていた。
ぼくはいつも「てめぇも年増クソ鬱だろうが、シダ」と説教しながら聞いていた。


しかし、その日はそんなセフレをメタメタにディスっていたシダさんの様子が変だった。
ニヤニヤしている。
彼女の話をするときに幸せそうにニヤニヤして話すのだ、気持ち悪い。
以前は絶対に見せようとしなかったデートの写真なんかも楽しげに見せてくる、シダとシカと彼女が一緒に写っていた。
写真のシダはシカを触ってヘラヘラ笑っていた。怖い。


「いつの間にこんなに変わってしまったんだ、どうしたシダさん!」と問うとシダさんは馴れ初めを教えてくれた。
シダさんは一年前うつ病を患っていて、鬱々とした日々の中に彼女(当時セフレ)がいた。
彼女は初めからシダさんに惚れていて、ずっと献身的にシダさんを支えていたようで
シダさんの中でも日増しに彼女の存在が大きくなっていき付き合い始めたようだった。


それからシダさんは年内中に彼女と同棲するつもりでこれからが楽しいんだと話す。
あの死にそうな仏頂面をしていたシダさんは消え去り、生き生きしてずっとニコニコと明るいシダさんがそこにいた。
すごい、これはハッピーセットだ と思った。


シダさんは頭ハッピーセットになっていた。
マックでハッピーセットに心躍らせる無邪気な子供のような脳みそになっていた。
500円を握りしめてマックに行ってハッピーセットを買う子供と同じ目をしていた。
とても幸せそうに話すのでぼくもよかったなぁと嬉しくなった。


ぼくはいまうつ病で将来が不安だが、こうしてうつ病を克服して
幸せそうにしているシダさんを見ていると少し希望も持ててくるし、
やっぱりこうして友達が幸せになるのはとてもいいことだと感じた。


ぼくも頭ハッピーセットになりたいと思った。


最後にシダさんは彼女とのラインを見せてくれた。

         『ちゅう(´ε`*)』シダ
彼女『ちゅう(*´з`)』

急転直下、頭ハッピーセットどころの騒ぎではなくなった。

ぼくは死んだ目をした仏頂面になった。
そして、頭ハッピーセットお花畑中学生と化したシダ(32)に言い放った。

「きっっっしょ・・・」